HMDの対象年齢
一般的な2眼HMDは対象年齢7歳または13歳以上
Oculus Rift、Gear VRなどの高性能HMDやGoogle Cardboard、ハコスコ2眼タイプなど、レンズが2つついていて左右に分割された映像を見るタイプのHMDには、7歳または13歳以上の年齢制限がついています。
※GoogleCardboardには明記はされていませんが、「大人の目の届かないところで、お子様が Cardboard を使用することがないようにしてください」という注記がされています。
GoogleCardboardの安全性に関する情報
2眼のHMDで見るVRは、左右の目で少しずれた異なる映像を見ることで、目を騙して立体感を錯覚するという仕組みになっています。
片目を閉じて景色を見てみると右目と左目で若干ずれて見える現象を、映像で擬似的に表現して奥行き感をだしているわけです。
ですが、これはあくまでも「錯覚」なので、目に負担がかかります。
見たもののずれから奥行きを認識する“立体視細胞”の形成は6歳ぐらいまでかかり、未発達のままこのような錯覚の映像を見続けると、”斜視”という眼の障害の危険性などがあるため、ハコスコなどは7歳制限をしています。
また、“瞳孔間距離”(左右の目の距離)の発達が10歳〜11歳くらいまでかかります。HMDはレンズの距離がある程度(大人の顔の大きさに合わせて)決まっているので、OculusRiftやGearVRなどはその点も加味して13歳制限がされています。
VRヘッドセットの対象年齢設定状況と小児利用による斜視のリスク
↑とてもわかりやすい言葉で解説されています。なぜ13歳未満の子供は、Oculus Riftを使用してはいけないのか?医学的な見地からの警鐘
↑専門的な図や写真などで説明されています。VRと年齢制限について
↑より専門的な解説がされています。
※あくまでも僕個人的な見解ですが、多くの解説では「HMDは危ないからダメ」というよりは、「気をつけて楽しみましょう」という意見が多いようです。感受性の強い若い子たちにVRでの体験を頭ごなしに禁止してしまうのはもったいないですし、目に負担のかからない1眼タイプ(後述)で体験させてあげるなど、周囲の大人がちゃんとこういったリスクも踏まえながら、責任を持って楽しいVR体験をするようにしたいなと思います。
1眼タイプのHMDは全年齢対象
ハコスコ1眼など、1眼タイプと呼ばれるHMDは、長方形の1枚のレンズで(分割されていない)スマホの画面をみるだけなので、錯覚などがなく目への負担もなく、全年齢対象となっています。
スマホVRは2眼モードと1眼モードが切り替えられるアプリも多く、これならお子さんと一緒にも安全に楽しめるので、2眼で体験して面白かったアプリは、是非1眼で親子一緒にお楽しみください!
各ゲームオリジナルHMD
HADO(meleap)
各地のイベントや、最近では池袋のナンジャタウンにも採用されたmeleapのARゲーム「HADO」は対象年齢7歳以上となっています。
使用されているのはオリジナルの2眼タイプのスマホVRHMDですが、実は映像は左右同じものを表示しているそうで、2眼でありながらハコスコ1眼と同じように錯覚等の負担はありません。”7歳”というのは、あくまでもゲームのルールを理解して楽しめる推奨年齢とのこと。
目の前に迫るドラゴンとのバトルは、今までに味わったことのない手に汗握る体験なので、近くのイベントなどに来たときは是非体験してみて下さい。
HADOイベント情報
アニュビスの仮面(ギフトテンインダストリ)
世界初のVRボードゲーム「アニュビスの仮面」は複数人でプレイするボードゲームで、一人ずつ順番に仮面型のHMDをつけてプレイします。
この仮面はハコスコ1眼をベースにしているので、年齢制限なく遊ぶことができます。
現在は予約のみで残念ながら受付は終了していますが、わかりやすいルールと「言葉での伝達」というシンプルかつ難しい要素がうまくVRと合わさっていて、みんなで盛り上がれるゲームですので、一般発売を期待したいです。
アニュビスの仮面公式サイト
以上、注意点やそれぞれのガイドラインをよく理解して、安全で楽しいVRライフを送りましょう!